「とにかく売上を伸ばす」——創業期の経営者がそう考えるのは自然なことです。しかし、売上という結果だけを追っていると、なぜ伸びたのか、なぜ伸び悩んでいるのかが見えません。そこで役立つのがKPIです。本記事では、創業期のスタートアップが知っておきたいKPIの考え方と、数字の見方を解説します。
KPIとは何か
KPIとは、目標を達成するための「カギとなる指標」のことです。最終的に目指すゴール(たとえば「年間売上◯◯円」)に対して、その達成度を測るための中間的な数字を指します。売上という「結果」だけでなく、その結果を生み出す「過程」の数字を見ることで、何を改善すべきかが見えてきます。
なぜ創業期にKPIが必要なのか
売上は、あくまで活動の「結果」です。結果だけを見ていても、「次に何をすべきか」は分かりません。たとえば売上が落ちたとき、原因が「客数が減った」のか「単価が下がった」のかでは、打つべき手がまったく違います。KPIで過程を分解して見ることで、問題の在りかと改善策が具体的に見えてくるのです。
創業期に押さえたい数字の見方
創業期は、あれもこれもと多くの数字を追う必要はありません。むしろ、本当に大切な少数の数字に絞ることが重要です。事業によって異なりますが、たとえば次のような視点が基本になります。
① 売上を「分解」して見る
売上は「客数 × 単価 × 購入回数」などに分解できます。どの要素が伸びていて、どこが課題かを見ることで、打ち手が明確になります。
② 顧客に関する数字を見る
新規顧客が何人増えたか、どれくらいの顧客が継続してくれているか(リピート率)など、顧客の動きを示す数字は、事業の健全さを表します。
③ お金に関する数字を見る
利益が出ているか、手元の現金は十分か。創業期は特に、売上だけでなくキャッシュの数字を必ず見る習慣が大切です。
KPIを「見るだけ」で終わらせない
KPIは、設定して眺めるだけでは意味がありません。定期的に確認し、数字の変化から「なぜそうなったか」を考え、次の行動につなげることが大切です。数字を見て、考えて、動く——このサイクルを回すことで、KPIは経営の強力な道具になります。
数字に強くなることが経営を強くする
創業期の経営者がすべての数字に精通するのは大変です。しかし、自社にとって本当に大切な数字を見極め、その意味を理解することは、経営を強くする土台になります。社外CFOのような数字に強い伴走者がいれば、自社が追うべきKPIの設定から、数字の読み解き方、次の打ち手の検討までを一緒に進められます。数字を味方につけることが、成長への近道です。
まとめ
創業期は、売上という結果だけでなく、それを生み出す過程をKPIで見ることが大切です。売上を分解し、顧客の数字を見て、お金の数字を必ず確認する。そして、KPIは見るだけで終わらせず、数字を見て・考えて・動くサイクルを回す。数字を味方につけることが、創業期のスタートアップを着実な成長へと導きます。まずは、自社にとって本当に大切な数字は何かを考えることから始めてみてください。