営業の仕事をしていると、成約まで2年以上かかることも、珍しくありません。
すぐに結果が出る案件もあれば、じっくりと時間をかけて、ようやく実を結ぶ案件もある。今回は、後者の、長い時間をかけて大きな受注につながった経験についてお話ししたいと思います。鍵を握ったのは、「続けること」でした。
始まりは、「一度、説明してほしい」という依頼
そのお客様は、あるITインフラが老朽化していて、いつかは入れ替えなければならない状況にありました。けれど、何年も変えていなかったため、最新の情報が分からない。「一度、説明してくれないか」。これが、最初の依頼でした。
このとき、私は「今すぐ売り込もう」とは考えませんでした。お客様が求めていたのは、売り込みではなく、純粋に「最新の情報を知ること」だったからです。まずは、その期待に丁寧に応えることにしました。
毎月の「勉強会」が、2年弱続いた
一度説明をすると、お客様からは、次々と質問が出てきました。「それなら、次回また」ということで、結局、毎月、定例のように説明会を開くことになりました。要は、お客様のための「勉強会」です。
この勉強会が、なんと、2年弱も続きました。
正直に言えば、その間、目に見える成果は、ありません。毎月足を運び、説明を重ねても、受注にはつながらない。「いつになったら決まるのだろう」と思うことも、あったかもしれません。それでも、お客様が求めてくださる限り、誠実に説明を続けました。
ある日、「もう勉強会はいいから、提案してほしい」
そして、2年弱が経ったある日、転機が訪れます。
お客様の社内で、別の大規模なプロジェクトを行うことになり、老朽化したインフラの入れ替えも、それに合わせて進めることになったのです。そして、お客様のほうから、こう言われました。「もう勉強会はいいから、提案してほしい」と。
このとき、私は確信しました。2年弱、勉強会を続けてきたからこそ、このタイミングに出会えたのだ、と。もし途中で「これは売れない」と足を運ぶのをやめていたら、このチャンスは、別の会社のものになっていたでしょう。
当初の1.5倍の受注になった
結果として、この案件は、老朽化したインフラの入れ替えを単独で行うのではなく、大規模なプロジェクトの一部として進めることになりました。そのおかげで、対象となる範囲も大きく広がったのです。
最終的に、2年にわたって、当初想定していた規模の1.5倍の受注となりました。長く待った分、実りも大きかったのです。
続けていたからこそ、タイミングに出会えた
この経験から、私が学んだことは、はっきりしています。
営業では、「いつ売れるか」を、こちらが完全にコントロールすることはできません。お客様にも、お客様の事情やタイミングがあります。今すぐ決まらないからといって、その案件に価値がないわけではないのです。
大切なのは、お客様が必要としてくれる限り、誠実に関わり続けること。すぐに成果が出なくても、地道に信頼を積み重ねておく。そうやって「その場に居続ける」ことで、いざお客様にタイミングが訪れたとき、真っ先に声をかけてもらえる存在になれるのです。
タイミングは、待つものではなく、続けることで引き寄せるもの。私は、この案件を通じて、そう実感しました。
おわりに
すぐに結果が出ないと、つい焦ってしまったり、その案件を諦めてしまったりしがちです。けれど、本当に大きな実りは、長く誠実に関わり続けた先に、訪れることがあります。
目先の成約にとらわれず、お客様のために、地道に関わり続ける。その継続こそが、最良のタイミングを引き寄せ、想像を超える成果につながっていく。営業の醍醐味は、こうした「待つ力」「続ける力」の中にこそあるのだと、私は考えています。
当社では、社外CFO、DXコンサルティングと並ぶ事業の柱として、営業コンサルティングに力を入れています。短期の成約だけでなく、長く信頼を積み重ねて成果につなげる営業のあり方について、現場で培った実体験をもとに、一緒に考えていきたいと思っています。営業活動にお悩みの際は、ぜひ無料相談のお申し込みはこちら。