「営業」という仕事を、私は30年以上続けてきました。
為替仲介の世界から始まり、生命保険、そしてIT業界へ。扱う商品も、お客様も、まったく違う世界を渡り歩いてきました。そして今は、コンサルタントとして、中小企業の経営を支える仕事をしています。
振り返れば、ずいぶん多くの業界を経験してきたものだと思います。けれど、その根っこにあったのは、いつも「営業」でした。今回は、なぜ私が営業を続けてこられたのか、その理由を、自分のキャリアを振り返りながらお話ししたいと思います。
為替の世界から、すべてが始まった
社会人としての第一歩は、外国為替仲介業の会社でした。
銀行と銀行の間に立ち、ドル資金の取引を仲介する仕事です。市場は秒単位で動き、扱う金額も非常に大きい。緊張感のある、スピードの世界でした。
入社して半年ほどで、「リンクマン」という仕事を任されるようになりました。香港、シンガポール、ロンドン、ニューヨークといった海外市場の提携会社と専用電話でつながり、取引のやり取りをする仕事です。業務はすべて英語。当初は、専門用語以外は2割ほどしか聞き取れませんでした。
それでも、毎日の積み重ねで、少しずつ慣れていきました。この「習うより慣れろ」「続けることで道は開ける」という感覚は、その後の私の営業人生を、ずっと支えてくれることになります。
業界を越えて、営業を続けてきた
その後、私は為替の世界から、生命保険の世界へと移りました。さらに、IT業界へ。会計ソフトの販売から、システムの提案営業まで、さまざまな営業を経験しました。
業界が変われば、扱う商品も、必要な専門知識も、まったく異なります。そのつど、一から学び直す必要がありました。決して楽な道のりではありませんでした。
それでも続けてこられたのは、業界が変わっても、営業という仕事の「本質」は変わらなかったからです。お客様の困りごとに耳を傾け、その解決のために誠実に向き合う。この一点さえ守っていれば、扱うものが変わっても、なんとかやってこられたのです。
なぜ、営業を続けてきたのか
「なぜ、そんなに営業を続けてきたのですか」。そう聞かれることがあります。
理由は、いくつかあります。けれど、一番大きいのは、営業という仕事が、「人と向き合う仕事」だからだと思います。
営業は、商品を売る仕事のように見えて、その実、人と人との信頼を築く仕事です。お客様の話を聞き、課題を一緒に考え、解決のお手伝いをする。そして、「ありがとう」と言っていただける。この喜びは、何ものにも代えがたいものでした。
為替時代に担当していたお客様が、私が生命保険の世界に移った後も、業界の壁を越えて、私を頼って契約してくださったことがありました。当時はただ、ありがたいと思っていました。けれど、自分が経営者となった今、あらためて振り返ると、お客様は商品ではなく、私という人間を信頼してくださっていたのだと、腹の底から分かります。
人との信頼を、こつこつと積み重ねていく。その手応えがあったからこそ、私は営業を続けてこられたのだと思います。
営業経験は、今の仕事の土台になっている
今、私は中小企業の経営支援を、いくつかの切り口から行っています。財務面から経営を支える社外CFO、IT活用を進めるDXコンサルティング、そして営業力の強化をお手伝いする営業コンサルティングです。
一見ばらばらに見えるかもしれませんが、いずれの仕事も、根っこにあるものは同じです。
相手の課題に耳を傾け、その解決のために誠実に向き合う。難しいことを、相手に分かる言葉で伝える。これは、営業の現場で30年かけて身につけたことが、そのまま活きています。
特に営業コンサルティングは、私自身が複数の業界で泥くさく現場を経験してきたからこそ、机上の理論ではなく、実際に成果につながる支援ができると自負しています。営業で培った「人と向き合う力」は、業界や職種を越えて通じる、一生ものの力なのだと、今になって実感しています。
おわりに
為替から保険、そしてITへ。30年にわたって、私は営業を続けてきました。
時代は大きく変わり、道具も変わりました。これからは、生成AIのような新しい技術が、営業のやり方をさらに変えていくでしょう。それでも、「人と向き合う」という営業の本質は、変わらないと私は信じています。
当社では、社外CFO、DXコンサルティングと並ぶ事業の柱として、営業コンサルティングに力を入れています。営業の仕組みづくり、提案力の強化、営業チームの育成など、中小企業の「売る力」を、現場目線で一緒に高めていきたいと考えています。
このブログでは、私が30年の営業人生で学んできたことを、これから少しずつお伝えしていきます。新規開拓のこと、提案のこと、チームづくりのこと、そして営業に役立つ財務や法務の基礎知識まで。今まさに営業で悩んでいる方や、これから営業を強くしたいと考える経営者の方の、何かしらのヒントになれば幸いです。
営業力の強化や組織づくり、財務戦略についてお困りのことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。