チーム全員に、同じ目標を課している。
それなのに、なぜか達成する人と、しない人に、はっきり分かれてしまう。
そんなお悩みを、うかがうことがあります。
目標の数字は、公平に決めたつもり。むしろ、一律のほうが不満は出ないはず。そう考えていた、という声も少なくありません。ですが、その「一律」こそが、チームが動かない原因になっていることが、あるのです。
同じ目標が、公平とは限らない
力量の違うメンバーに、まったく同じ数字を課す。
一見、公平に見えます。ですが、経験の浅い人には高すぎ、力のある人には物足りない。そんなことが、起こります。
高すぎる目標は、最初から「無理だ」とあきらめを生みます。低すぎる目標は、「これでいい」と成長を止めます。どちらも、人の力を引き出しません。
本当の公平とは、全員に同じ数字を配ることではない。一人ひとりが、手を伸ばせば届くところに、目標を置くことだと思います。
「少し届かないくらい」が、いちばん伸びる
人がもっとも成長するのは、簡単すぎず、無理すぎない目標に向かうときだと言われます。
今の実力のままでは、少し足りない。でも、工夫すれば、届くかもしれない。その「少しの背伸び」が、人を動かします。
だからこそ、目標は一人ひとり違っていていい。ベテランには、これまでを超える一段上を。若手には、頑張れば手が届く、確かな一歩を。
相手の今の力を、正しく見る。その見極めが、目標設定の出発点になります。
立てて終わり、では動かない
目標は、決めた瞬間がゴールではありません。むしろ、そこがスタートです。
立派な数字を掲げても、あとは本人任せにしてしまえば、ほとんどは達成されません。大事なのは、そのあとです。
今、どこまで進んでいるのか。何が、つまずきの原因になっているのか。定期的に一緒に確認し、詰まっているところを、一緒にほどいていく。
「やれ」と言うのではなく、「どうすればやれるか」を、共に考える。それが、最後までやらせきる、ということだと思います。
納得のない目標は、続かない
上から数字を落とすだけでは、人は本気になりません。
なぜ、この目標なのか。達成すると、本人にとって何が良いのか。そこに納得があってはじめて、目標は「自分ごと」になります。
私自身、これまで為替の仲介から生命保険、ITの提案まで、いくつもの現場で、人と数字に向き合ってきました。押しつけた目標は、続かない。本人が「やってみよう」と思えた目標だけが、最後まで走りきられる。何度も、そう感じてきました。
おわりに
目標設定は、数字を割り振る作業では、ありません。
一人ひとりの力量を見つめ、少し背伸びした目標を置き、最後までやらせきる。その一連の関わりすべてが、マネジメントだと思います。
手間は、かかります。ですが、人が育ち、チームが動き出すのは、この地道な関わりの先にしかない。そう、思っています。