「テレアポは、断られる仕事だ」。そう感じて、電話を取るのがつらくなっている人は少なくないと思います。
しかし、30年間営業をしてきた私は、こう考えています。テレアポは「断られる仕事」ではなく、「出会いをつくる仕事」だ、と。
断られるのは、当たり前
まず大前提として、テレアポは断られることのほうが圧倒的に多いものです。これは、あなたの能力が低いからではありません。テレアポという仕事の性質そのものなのです。
相手にとっては、突然かかってきた電話です。今すぐ必要としていなければ、断るのが自然な反応です。つまり、断られること自体は失敗ではなく、当たり前の前提。ここを取り違えると、一件断られるたびに自分を責めてしまい、心が持たなくなります。
「断られた」のではなく「今は必要なかった」だけ
大切なのは、断りの意味を正しく捉えることです。
多くの場合、断られたのは「あなた」が拒否されたのではなく、「今のタイミングでは必要なかった」というだけです。相手の事情やタイミングが合わなかった。それだけのことなのです。人格を否定されたわけでも、永遠に縁がなくなったわけでもありません。この捉え方ができれば、断りを必要以上に重く受け止めずに済みます。
テレアポは「出会いを探す」仕事
テレアポの本質は、断られることではなく、数多くの相手の中から「今、話を聞きたい人」と出会うことにあります。
たくさんの電話の中に、ほんの数件、関心を持ってくれる人がいる。テレアポは、その出会いを探す作業です。断られた電話は、出会いにたどり着くための過程にすぎません。「断られる仕事」と捉えるか、「出会いを探す仕事」と捉えるか。同じ作業でも、この意識の違いが、続けられるかどうかを大きく左右します。
続けるための、小さな工夫
私自身、以前は1日に200コールしていた時期があります。それだけの数をこなすと、ただ機械的にかけているだけでは、自分も相手も疲れてしまいます。そこで私が意図的に行っていたのが、「笑う」ということでした。
こちらから笑いを仕掛けるのです。人は笑いが出ると緊張がほぐれ、ほんの一瞬でも親近感と安心感が生まれます。突然の電話で身構えている相手の心を、少しだけ和らげることができるのです。
さらに、笑いを仕掛けようと思うと、自然とこちらの声のトーンも明るくなります。暗く事務的な声では、相手も話を聞く気になりません。明るい声は、それだけで「この人と話してみようか」という気持ちを引き出します。たった一つの工夫ですが、200コールを前向きに続けるうえでも、相手との距離を縮めるうえでも、大きな効果がありました。
断りの先に、次がある
たとえその場で断られても、丁寧な対応を心がけていれば、それで終わりとは限りません。「今は必要ないが、いずれ」と思ってもらえれば、時間をおいて声がかかることもあります。実際、すぐに売れなくても接点を持ち続けたことが、後になって大きな受注につながった経験もあります。タイミングは、こちらが続けているからこそ巡ってくるのです。
一本一本の電話を、ただの数字としてこなすのではなく、一つの出会いの入り口として丁寧に扱う。その積み重ねが、すぐには見えなくても、後の成果につながっていきます。断りの先に、次があるのです。
おわりに
テレアポは、確かに楽な仕事ではありません。しかし、「断られる仕事」と思い込んでしまうと、必要以上につらくなります。
断られるのは当たり前。その中から、出会いを探していく。そう捉え直すだけで、テレアポは前向きに続けられる仕事に変わります。一本の電話の先に待っている出会いを信じて、今日も受話器を取る――そんな営業を、私は応援したいと思います。
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